カウンセラーとカウンセリングルームについて

ごあいさつ

こんにちは、えんカウンセリングルーム代表カウンセラーの市川円(いちかわえん)と申します。

当カウンセリングルームの前身となるブログも含めると、メールでのお悩み相談にお答えし始めて3年ほどになります。

もともとこのサイトは、私自身の学びのために開設した背景があります。妻が抱えるADHD、HSP、アダルトチルドレンといった概念や、その言葉を取り巻く状況についてコラムの形式でまとめていたのが始まりです。

サイトを運営する中でいただくお便りや、妻と生活する中で蓄積したノウハウを集約して「複雑な背景を持つパートナーとの接し方」というコラムの形に落とし込むことで、自分の理解を深めるとともに、同じ悩みを抱える方の行動指針となることを目指しました。

そんな背景から、当カウンセリングルームでは、ADHD、ASDなどの発達障害、HSP、アダルトチルドレンといった特徴に当てはまるパートナーや家族をお持ちの方からご相談をいただく機会が多くあります。

妻と過ごす中で学んだことをもとに、同じ境遇で悩まれている方のお役に立てることを本当に誇りに思います。

カウンセリングルームの名前の由来

えんカウンセリングルームの「えん」は、「円」です。親につけてもらった私自身の名前からいただきました。

「円」は、角がなく引っかからない形状から、執着から解放された心を表していて、仏教においては悟りや真理を表現する意味合いがあります。円を一筆で書いた「一円図(または円相図)」にそれが象徴されています。また、円相は「円窓」とも書き、己の心をうつす窓という意味もあるのだそうです。

相談者様が執着から解放される援助になりたいという気持ちや、カウンセラーの意見を押し付けるのではなく相談者様自身の心をうつす窓としてありたい、といった気持ちを込めました。

また、えんカウンセリングルームの「えん」は、人との「縁」でもあります。

接する人々とのかかわり方を多く考えてきたカウンセリングルームということもあり、当カウンセリングルームでお話したあとは、人とのつながりや、人に影響を受けたり人に影響を及ぼしたりすることに対して、恐れではなく楽しみを見出せるようになっていただきたい。そんな思いを込めております。

悩みを抱える人を支える方もケアしたい

当カウンセリングルームでは、悩みを抱える方自身の治療はもちろんですが、悩みを抱える方を近くで支える方のケアについても積極的に取り組んでいます。

例えば、発達障害は脳の違いが原因で起こるものです。しかし、発達障害の存在が広まる一方で、それが脳の違いであるという部分はまだまだ理解されていない傾向にあります。そのため特に大人の発達障害では、その人自身も周囲の人も、それが発達障害と気づかず「努力が足りない」「怠けているだけ」などと感じ、自他ともに責めてしまいがちです。

その結果、悩みを抱える方自身が二次障害としてうつ病や不安障害を発症するだけでなく、悩みを抱える方の近くにいる方もまた、カサンドラ症候群に代表されるような心身の不調を訴えることがあります。

また、共感を得やすいことから近年話題に上がることの増えた「HSP」や「アダルトチルドレン」といった概念の特徴に当てはまる方も、その根底にはADHDなどの発達障害や、別の病気が隠れていることもしばしばあります。そうした性質を、パートナーの立場から自力で理解することもまた困難と言えるでしょう。

例えばHSPという特性ひとつ取っても、精神医学では本来、下記のような病名が検討されるのだそうです。

・全般性不安障害(GAD)
・社交不安障害(SAD)
・境界性パーソナリティ障害(BPD)
・双極性障害II型
・発達障害(ASD/ADHD)
・複雑性PTSD

当カウンセリングルームは医療機関ではないため具体的な診断はできかねますが、これまでにいただいてきたご相談や、私自身が妻と話し合い続けてきた経験などを踏まえて、「こうした特性を持つ人といかに接するか」を考えることができるのが強みです。

悩みを持つ当事者だけでなく、悩みを持つ方を支える方にとってもお役に立てるカウンセリングルームでありたいと考えております。

当ルームのカウンセリングにかける想い

最後に、当ルームで提供するカウンセリングにかける想いを、私自身の生い立ちや妻との出会いなどを踏まえてご説明させてください。少し長くなりますが、もしよろしければ最後までお読みいただけると幸いです。

私は、すこし特殊な生い立ちをしています。横浜市内の病院で生まれたのですが、生後半年ほど経ったころ、家庭の事情で養子として静岡県に住まう養親に引き取られました。カウンセリングルームの名前でもある「円(えん)」という名前は実母からもらったのですが、私自身に実母と過ごした記憶はありません。

養子という境遇の詳細については以前、soarさんにコラムを寄稿させていただきましたので、興味を持っていただけた方はこちらもご覧ください。

>>「普通養子縁組」で、叔母夫婦に育てられた。市川円さんが見つけた自分なりの「親子のかたち」とは|soar

養子として育った私にとって、「普通の家族」とは「血のつながらない家族」のことでした。幼稚園、小学校と成長するうちに、それはどうやらみんなの「普通の家族」とは少し違うということに気がつきます。しかし養親に恵まれた私にとって、みんなと違うということは、恐れることではなく胸を張って誇れることでした。養子として育ったことをコンプレックスに思うことは、後にも先にも一度もありません。

むしろ、「普通の家族」に縛られているのは、一般的な生みの両親を持つみんなのほうかもしれない、と思いました。そのことに気づいたのは、社会人になってからです。

もともと人の話を聞くのが好きだった私は、同僚や部下の相談に乗る機会が多くありました。そしていろいろな人の相談に乗っていると、人間関係で悩む人の中には、家族との関係になんらかのトラブルを抱えている人が多いことに気が付きました。とりわけ、両親との関係にトラブルを抱えているケースが多いようでした。気になってネットや本で調べてみると、どうやら自己肯定感やアダルトチルドレン、機能不全家族、HSPや発達障害といった概念が関係していることが分かりました。

転機が訪れたのはその頃です。同じ会社で、妻と出会いました。妻もやはり家族との関係にトラブルを抱えており、当時の彼女は「普通」や「当たり前」といった思い込みにとても苦しめられていました。

軽度とはいえADHDの彼女にとって、周りの人が思う「普通」をこなすことはとても困難であり、しかし軽度だからこそ「がんばればなんとかなる」の悪循環で、生まれてからこれまで頑張り続けてきたと言うのです。

さらにそこに、感覚的に敏感であるHSPという個性、生まれ育った環境によるアダルトチルドレン的傾向が加わり、それらを元に発現してしまったうつ症状がとどめを刺します。

私が妻と出会ったのは、彼女がそれらをすべて経験したあとであり、そこから立ち直ろうとしているときだったのですが、その姿を見た時に「自分もそばで支えたい」と思ったのです。そして、「彼女が苦しまずに済む未来を創るにはどうすればいいか」を考えるようになりました。

妻と付き合い始めてからしばらく、私はことあるごとに「生まれて来てくれてありがとう」「生きていてくれてありがとう」と伝えていました。それはありがちな「生まれてきたことに感謝しなきゃね」といったきれいごとではなく、「戦場から無事生還してくれてありがとう」という感覚でした。実際に妻は戦場から生還したのです。

本来、生きているだけで十分なはずなのに。現代は、生きていて当たり前、できて当たり前で、もっと効率よく、うまくやることを求められます。うまくやれたとしても褒められることはほとんどなく、しかし失敗したときは非難されてしまう。どこからそんなに生きづらい社会になってしまったのかは、よくわかりません。

ただ、そんな生きづらさの根本的な原因のひとつとして、先入観や偏見といった思い込みが関係していると、私は考えています。

妻が「普通」や「当たり前」に苦しんでいたように、「親」と「子」はこうあるべき、とか、夫婦はこうあるべき、といった具合に、人間関係の思い込みに悩む人もいるでしょう。いい大人なのだからこれくらいのことはできて当たり前、とか、配偶者や子どもを養ってようやく一人前、といった思い込みに苦しめられている人もいるかもしれません。

病気や障害といった診断が下されるような症状の有無にかかわらず、私たちはこうした「普通」「当たり前」「らしさ」という先入観や偏見からは逃れられません。なぜなら、認知バイアスという人体に備わった機能による部分が大きいからです。このサイトで、認知バイアスに関するコラムを多く公開しているのも、そこに対する理解が広まれば、多少なりとも偏見が和らぐのではないかと考えているためです。

そんな活動を続ける中で、実際、妻の症状は出会ってからの数年でずいぶん改善しました。これなら、妻と同じように悩む方々に手を差し伸べられるかもしれない。また、過去の私と同じように、悩みを抱える人のそばで支える人の力になれるかもしれない。そういった理想のもと、当カウンセリングルームを開設しました。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございます。当カウンセリングルームのカウンセラープロフィールと、当ルーム開設の背景などについて紹介させていただきました。

ご興味を持っていただけた方は、カウンセリングや心理学に関する基礎知識をまとめたコラムもご覧になってみてください。

>>「コラム」はこちら