仕事の失敗や挫折がきっかけの後悔を長く引きずってしまっている。夫婦や恋人と喧嘩したあとの気持ちの切り替え方がわからない。
後悔やイライラなどのネガティブな感情に支配されたときに実践したい、気持ちの切り替え方をご紹介します。
なお今回は、状況や深刻さによって、2種類に分けて気持ちの切り替え方を解説しますので、ぜひあなたの状況にあった方法を選択してください。
目次
気持ちを切り換えたいときってどんなとき?
まずは、「そもそも気持ちを切り替えたくなるときとはどんな状態なのか?」について確認していきます。
「落とし穴」にはまってるかも
気持ちを切り替えたくなるときって、あまりいい気持ちのときではないですよね。
不安だったり、怖かったり、恥ずかしかったり、そういった「失敗」や「ミス」への恐れがネガティブな感情の引き金になっているのかもしれません。
こういうとき、人は「落とし穴」にはまっている状態にあると言えます。
落とし穴には浅いものから深いものまでいろいろある
落とし穴には、ちょっと足を上げれば抜け出せるような浅いものもあれば、見上げなければ空が見えない深いものまでさまざまあります。
まずは、ネガティブな気持ち=落とし穴にもいろいろなものがあることを知っておきましょう。
その落とし穴は浅い?深い?認識するところから
あなたが落ちた落とし穴は、落ちたことにも気づかないくらい浅いものでしょうか。それとも、光がうっすらとしか届かないくらい深く暗いものでしょうか。
気持ちを切り換える前に、あなたが今落ちているその落とし穴がどれくらい深いのか、そしてどれくらい大きいのか、目を向けて認識するところからはじめてみてください。
浅い落とし穴の対策と深い落とし穴の対策はぜんぜん違う
浅い落とし穴から出るための対策と、深い落とし穴から出るための対策は、まったく違うものです。
浅い落とし穴から出るための対策は、ちょっとした弾みをつけるだけで十分だったりします。
でも深い落とし穴から出るためには、きちんと道具を使ったり、階段状に掘ってみたり、あるいは周囲の人の助けが必要だったりするんです。
今回は、浅い落とし穴向けの気分転換の方法と、深い落とし穴向けの気持ちの切り替え方をそれぞれ解説します。
あなたが落ちた落とし穴にあった対策を取ることが大切ですので、どちらのほうが自分にあっていそうか、想像しながらご覧ください。
【浅い落とし穴向け】おすすめの気分転換3つ
まずは、お手軽にできる浅い落とし穴向けの気分転換法からです。
外に出て環境を変える
気持ちが沈んでいるときにそんな気にならないよ……と思われるかもしれませんが、一番効くのは「環境を変える」ことです。
ただし環境を変えるといっても、遊びに出かけたり旅行へ行ったりする必要はありません。
窓から顔を出して外の空気を吸ってもいいですし、マンションやアパートなどの集合住宅なら、玄関から屋内の廊下に出るだけでも十分です。
違う空気を肌で感じると、気持ちはリフレッシュします。
それで解決するのかな……と考える前に、とりあえず外へ出てみる。外へ出てリフレッシュした状態で、次の対策を考えましょう。
体を動かす。おすすめはバーピー
とにかく体を動かしてみる、というのも非常に有効な気分転換です。
コツはできるだけ頭を空っぽにすること。そのために個人的におすすめなのは、バーピーという筋トレです。
詳しいやり方は上記の動画をご覧ください。
私もたまにやるのですが、考える余裕がなくなりいろいろどうでもよくなります笑
ただしバーピーはかなり負荷が高い筋トレなので、あくまでも気分転換としてやるのがおすすめ。筋トレとしてやる場合は、きちんとやり方を確認してくださいね。
思い切り寝る
頭の中が考え事でいっぱいで、もうにっちもさっちもいかないときは、とりあえず思いっきり寝てしまいましょう。
ある程度の悩みは、寝ればスッキリします。スッキリしないまでも、少しはマシになるはず。
頭の体力が回復すれば、浅い落とし穴くらいなら抜け出せる可能性があります。
反対に、体力がない状態では抜け出せるものも抜け出せません。
考えが堂々巡りしてしまってどうにもならないときは、強制的にシャットアウトするために寝てしまいましょう。
そうして回復してから、また考えてみてください。
【深い落とし穴向け】気持ちを切り替える3ステップ
続いて、深い落とし穴にはまった方向けの気持ちを切り替え方を解説します。こちらは、段階を踏んで3ステップ形式で紹介しますので、ぜひ順に取り組んでみてください。
気持ちに気づいて認める
ここまでご覧くださった方には、気持ちを切り替えたい=落とし穴に落ちている状態ということは伝わったかと思います。
それでも大切なことなので、念のため繰り返します。
まずは、「自分はいま落とし穴に落ちている」ということに気付いて、認めてください。
自分を追い込んでしまう人ほど、ネガティブな感情そのものを否定する傾向があります。これが一番よくありません。とくに、親や周りの人から、ネガティブな感情を押し殺すよう強制された心当たりのある方は要注意。自分にそのつもりがなくても、無意識に自分の感情を否定してしまいがちです。
落とし穴に落ちたときは、落ちたことを認めましょう。それは、落ちてはいけないものではないんです。落ちた自分が悪いわけでもありません。
落とし穴に落ちたことに気付いて、認めるところから始めましょう。
気持ちを可視化する
いまの状態を認識できたら、次は抱いたネガティブな気持ちを、言語やイラストによって見える状態にしていきましょう。
これは少し慣れとテクニックが要ります。
テクニックの中のひとつが、スケーリングという方法です。いまのあなたの感情を、1点から10点の10段階で評価したら何点になるでしょうか。
また、今の感情を当てはめるとしたら、次のうちどれに当てはまるでしょうか。
イラストのほうが表現しやすい方は、ぜひ紙とペンを用意して自由に描いてみてください。
注意する点は、その絵を評価しようとしないこと。それはあなたの心の形であって、その絵に上手い下手もなければ、よい悪いもありません。
特にイラスト化は、ある程度冷静に見つめるのが難しい状態のときは、取り組まないほうがよいでしょう。
「なぜ?」を繰り返して少しずつ明らかにしていく
気持ちの正体が、不安なのか、心配なのか、恐れなのか、なんとなく判明したら、次はそれに対して「なぜ?」と問いかけてみてください。
不安なら、何に不安を感じているのか。
仕事のことなのか、プライベートのことなのか、恋人との将来のことなのか、はたまた子どものことなのか。
少しずつで構いませんので、気持ちが何にとらわれているのかを明らかにしていきましょう。
解決しようとせずに、方針と対策を決める
原因がはっきりしてきたら、それに対して解決しようとする必要はありません。
なぜなら、必ずしも解決できることばかりではないからです。
たとえば、怒られたらどうしよう、と不安がっていたとしても、「絶対に怒られない方法」なんてありませんよね。
だから、できるのは方針と対策を決めることだけです。
怒られるのは嫌だから、怒られないためにできることをする。それでも怒られたときには、こう考よう。
つまり、「落とし穴に絶対落ちない方法はない」けれど、「同じような落とし穴に落ちたときの抜け出し方」を決めておくということ。そんな方針と対策が決まれば、そのことについて考える必要はなくなります。
まとめ
気持ちを切り替えたい、と一口に言っても、人によってその状況や深刻さはばらばらだと思います。
自分がいま落ちている穴が浅いのか、深いのか、まずはそこを見極めて、ぜひ自分にあった方法を選択してくださいね。
見極めるのもめんどうなときには、とりあえず浅い落とし穴向けの気分転換法を試して、それでも気持ちが切り替わらなければ、深い落とし穴向けのステップを本格的に試してみてください。
ちなみに今回ご紹介した方法は、認知行動療法のプロセスを参考にしています。
興味のある方は、ぜひそちらもご覧になってみてください。
(エイブラハムの感情22段階スケールより)