HSS型HSPとは|HSPとの違い・外向型との違いについて

繊細で敏感で、外から与えられる刺激や人の感情にすごく影響を受けてしまうにも関わらず、自ら刺激を追い求めてしまうというHSS型HSP。相反する気質を併せ持っているせいか、生きづらいという方が多いタイプです。

今回はHSS型HSPとHSPの違いについて調べ、またその中でHSS型HSPと外向型HSPの違いについても知ることができたので、こちらも合わせて解説します。

自分や身の回りの人が、HSS型HSPに当てはまるかどうか知りたい、という方におすすめです。

HSPはとても繊細な人

まずはHSPの特徴から。HSPは一言で言えば、とにかく繊細な人のことです。

このページにたどり着いた方は、すでに何かしらHSPについて調べられてるかと思いますが、念のため代表的な特徴を下記に挙げておきます。

  • 人混みがとにかく苦手
  • 騒音やまぶしい光に弱い
  • 痛みに弱い(注射などが極端に苦手)
  • 他人が怒られている様子を見ると自分が怒られている気分になる

なおHSPは気質の話なので、病気や障害ではないため医療機関での診断はされません。

その辺りも含めたHSPに関する詳細はこちらをどうぞ。

HSSは刺激を追い求める人。別名「刺激追求型」とも

HSSは、High Sensation Seekingの略で、意味は「刺激を求めること」です。

HSSは「刺激を好む人」と誤解されやすいのですが、実際には「刺激がないと落ち着かない人」「刺激が少なすぎると不安になる」という表現の方がしっくりきます。

望んで刺激を得たいというよりは、刺激があるほうが本能的に落ち着く、正常な状態になる、といったニュアンスですね。

なお、HSSもHSPと同様に、概念的な話であり診断するようなものではありませんので気を付けてください。

HSSってHSPだけに当てはまるの?非HSPには当てはまらないの?

HSSは心理学者のマービン・ズッカーマンさんが提唱した考え方のひとつで、これは人間は大きく分けて「HSPか非HSPか」「HSSか非HSSか」の2×2=4通りに分けられる、というものです。

この考え方に則るなら、HSS型HSPもいれば、非HSPのHSS型もいることになります。

しかし日本語の記事や書籍では、「HSS」という言葉が「HSS型HSP」と同義として表現されている場合もあるようですので、この点は注意しておいた方がよいでしょう。

HSS型HSPは繊細だけど刺激を求めてしまう人

さて肝心のHSS型HSPについてですが、前項で挙げたHSPとHSSの両方の気質を併せ持つのがHSS型HSPです。

つまりHSS型HSPは、人混みへ行くとぐったり疲れてしまうほど繊細な気質を持ちながら、刺激が得られる状況に自ら向かわずにはいられない気質も持っています。

HSPの繊細で深い洞察力と、HSSの刺激を追求する衝動的な性質が共存する様子は、実際にHSS型HSPの人の言によれば「片足でアクセルを踏み、もう片方でブレーキを踏んでいるよう」だそうです。

HSP=内向的ではないし、HSS=外向的でもない

現在、一般的に「HSP」と語られる場合、その内容の多くは「HSP=内向的なもの」として語られています。

また同様に、HSS型HSP(もしくはHSS)について語る場合、その内容は「HSS=外向的なもの」として語られることが多いようです。

しかし実際には、HSPの中で内向的な人は70%と言われています。つまり、30%の人はHSPでありながら外向的な性質を持っているのです。

ちなみに、外向的HSPのことをHSEと言います。

内向的と外向的の違いを簡単に言うと、人(外)と関わることに楽しみを見出すか否かです。詳細は、下記参考記事をご覧ください。

参考内向型、外向型そしてHSP

そしてもちろん、「内向的HSPのHSS型」もいれば、「外向的HSPのHSS型」もいることになります。

よくある誤解として、「外向的なら非HSPなのではないか」というものがありますが、これは必ずしもそうとは言えません。

外向的なHSPも概念としてあり得ますので、ぜひこのあと紹介するチェックリストを試してみてください。

HSS型HSPの診断にはセルフチェックリストがおすすめ

HSS型HSPかどうかを見極めるのには、HSPの提唱者であるエレイン・アーロン博士のHPで紹介されているチェックリストが便利です。

実際にHSPの妻にも試してみてもらったところ、数問答えただけでも明らかにHSSではないことがはっきりしました。

それは極端な例ですが、やってみることで「これはHSSの傾向なんだ」と理解を深めるきっかけにもなると思いますので、ぜひ試してみてください。

HSS型セルフ診断テストの設問

以下が、HSS型セルフ診断テストです。

  • もし安全なら、未知の新しい体験ができる薬をやってみたい。
  • 会話によってはひどく退屈になる時がある。
  • 行ったことのある好きな場所にもう一度行くよりも、好きにならないかもしれないけれど知らない場所の方へ行ってみたい。
  • スキーやロッククライミング・サーフィンのようなスリルのあるスポーツをやってみたい。
  • 長い間家にいるとイライラする。
  • 何もせずにじっと待っているのは嫌い。
  • 同じ映画を二度見ることはめったにない。
  • あまりやったことのないことをするのが楽しい。
  • もしなにかめずらしいことを目にしたら、わざわざ寄り道をしてでも確かめに行く。
  • 毎日同じ人たちと一緒にいると飽きてしまう。
  • 君のやることは予測がつかないと友人たちに言われる。
  • 知らない場所を探検するのが好き。
  • 日課はもたないようにしている。
  • 強い体験を与えてくれるアートに惹きつけられる。
  • 気分を高揚させてくれる物質が好き。
  • 思いもつかないようなことをする友だちのほうが好きだ。
  • 新しい知らない場所へ行ってみたい。
  • もし旅行に行くお金があったら外国へ行きたい。
  • 探検家になってみたい。
  • 誰かが性的なジョークを飛ばしたり、性的なことを口にして、みんなが気まずそうに笑うような時でも、自分はそれを楽しいと感じる。

参考High Sensation Seeking Test

HSS型セルフ診断テストの採点方法

HSS型セルフ診断テストの採点は、男女で少し異なります。

女性の場合、11個以上当てはまった場合はおそらくHSSです。7個以下の場合はおそらくHSSではありません。8~10個なら両者の中間です。

男性の場合、13個以上当てはまった場合はおそらくHSSです。9個以下の場合はおそらくHSSではありません。10~12個なら両者の中間です。

「中間ってどういうこと?」とも感じますが、HSSにせよHSPにせよひとつの考え方ですので、あくまでも目安として参考にするのがよいでしょう。

まとめ

繊細さや敏感さに特化したHSPと、刺激を追求してしまうHSS型を併せ持つ人は、一般的にとても生きづらさを感じていると言われています。

なお、チェックリストの内容に「中間」という表現があった通り、HSPにせよHSSにせよグレーゾーンが存在します。というより、「そういう見方もできる」という概念のひとつとして捉えておくのが無難でしょう。

HSPか非HSPか、HSSか非HSSかの4通り(あるいは内向的外向的を含めた8通り)で見るのではなく、「HSP的な傾向があるかも」「HSS的傾向はあんまりないかも」ぐらいのあいまいな捉え方をしたほうが扱いやすいと言えそうです。

特に、すでに生きづらさを感じている方は、セルフ診断で仮にHSSやHSPに当てはまらなかったからといって「自分はHSSでもHSPでもないのになぜ生きづらさを感じるのだろう」「努力が足りないのかもしれない」といった具合に、自分を責めないよう注意してください。