【こんなの当たり前】価値観や常識を押し付ける人の4つの心理とタイプ別対処法

「こんなのできて当たり前」
「 社会人ならそれくらい常識でしょ?」

そんな風に、常識や価値観を押し付けてくる人っていますよね。こういう言葉を考えなしに使う人こそ常識がないなぁと辟易するのですが、しかし社会で生きているとそういった人たちと関わる機会も多いと思います。

そこで今回は、そんな「常識」や「普通」といった価値観を押し付ける人たちの4つの心理と、タイプ別の対処法についてまとめました。こちらを参考に、ぜひ心穏やかな日常を過ごしていただければ幸いです。

常識とは

まずは、常識とはいったい何なのかということを確認しておきましょう。ここを見過ごしたままでは、私たちも常識は押し付けてはいけない」という常識を押し付ける人になってしまいかねません。

常識とは、社会にとって当たり前のもののことであり、いわば文化そのもののことを指します。これをアインシュタインは「常識とは、18歳までにあなたの精神の底に沈殿した偏見の堆積にすぎない」と表現しました。

アインシュタインの言葉をもう少しかみ砕くと、常識は「その人が18歳までに体験した出来事を元にした偏見や先入観」である、ということになります。

常識とはすなわち、偏見や先入観の別名なのです。

常識を押し付ける人の4つの心理タイプ

続いて、常識ならぬ偏見を押し付ける人たちが、いったいどのような心理でそれを行っているのか、タイプ別に分けて解説します。

嫌味タイプ: マウントを取りたくて言っている

「こんなこともできないの?」と、失敗して落ち込んでいる人に追い打ちをかけたり、「こんなのできて当たり前でしょ」と喜んでいる人に水を差したりします。

これは、マウントを取ることで相手よりも優位に立ちたいという心理が関係していると考えられます。

客観的に見るとただ性格が悪いようにも思えますが、その根底には「ほかにコミュニケーションの取り方を知らない」という背景も垣間見えます。

優等生タイプ:自分はできるから人もできると思っている

「何の取り柄もない自分にできたんだからあなたにもできて当然だよ」「難しくないからきっとできるよ」と、一見優しそうな言葉を投げかけてくるのが優等生タイプです。

優等生タイプの問題は、他者想像力の欠如と言えるでしょう。

ちなみに、表面上は優しい言葉を使いながら、実際は相手を下に見ているだけの場合は嫌味タイプと同じ構造です。

いずれにせよ、偏った常識を押し付けていることに変わりありません。

善意タイプ:良かれと思って善意で言っている

常識を押し付ける人の中でも特に多いのが、良かれと思ってやっている善意タイプです。

善意タイプの心理には「いいことを言う自分に酔っている」側面があると考えることができ、嫌味タイプや優等生タイプと比較しても非常に厄介であると言えます。

人は、「自分は良いことをしている」と信じているときほど迷わずエネルギッシュに行動できるもので、善意タイプの押し付け方は嫌味タイプや優等生タイプの比ではないのです。

非常に手強い相手ですので、身近に心当たりのある方は、ぜひこの後ご紹介する善意タイプ向けの対処法をチェックしてください。

無自覚タイプ:自分が常識を押し付けていることを自覚していない

無自覚タイプは、文字通り自覚がないままに常識を押し付けます。

傾向としては「自分がなぜできたのか」を自覚していない優等生タイプに近いですが、ちょっと違うのは、無自覚タイプは「自分ができていることすら自覚していない」という点です。

だから、自分が無茶なことを言っているとも思っていません。数はそう多くありませんが、手強さで言えば善意タイプといい勝負と言ってよいでしょう。

常識を押し付ける人のタイプ別対処法

常識を押し付ける人の心理タイプ4つを紹介したところで、次にそれぞれのタイプとどうしても関わらなければいけないという人に、おすすめのタイプ別対処法を解説します。

嫌味タイプは、とにかく無視しておけば大丈夫

嫌味タイプはマウントを取ることが目的なので、相手にまず同じ土俵にあがってきてほしいんです。

だからあの手この手でこちらが喧嘩を買うように仕向けます。だからこそ、こちらはとにかく無視しておけば、あとは勝手に自滅します。

マウントを取るためには、こちらが勝負の場に上がる必要があります。勝負が成立しなければ、マウントを取るもくそもありませんので、嫌味タイプも嫌味の言いがいがありません。

それに、手を尽くすうちにぼろが出ることも珍しくありませんし、ぼろが出なかったとしても客観的に見れば「ひとりでなんか言ってる」としかならないので、無視するだけでOKです。

優等生タイプは、真っ正面からやり合わずに逃げろ

優等生タイプは特に「できる上司とできない部下」「一見優しい友人」といった構図で表面化しやすく、そのときに怖いのが、相手の言っていることのほうが正しく聞こえてしまうという点です。

すると、「なぜ自分はこんなこともできないのだろう」とだんだんと自分を追い込む精神に入っていってしまいます。この状態になると抜け出すのは困難で、さらにその優等生タイプが「根はいい人」だったりするといよいよ厄介です。

そのことに気付いた段階で、真っ正面からその人の言葉を受け取るのをやめて、ぜひ一秒でも早く逃げてください。中途半端に反論したり逆らったりしたところで、こちらがみじめになる可能性が高いです。

自分を生かすためにも、逃げる選択肢を選ぶことを恐れないでください。

善意タイプは、譲れない一線を決めて他は徹底的に譲る

善意タイプも優等生タイプと同じく、真っ正面からやり合うのは危険です。

「あなたにとっては善意でも私にとっては迷惑だ」と面と向かって言うのは、日本社会においてはかなり勇気がいる行為ですし、それを称賛する文化もまだまだ醸成されていません。

そしてなにより、そういったアサーティブ(率直)なコミュニケーションを私たちはまともに学んでいないので、どんなに主張が正しかったとしてもうまく伝えられる保証もありません。

そこで取れる対策は、「これだけは譲れない」という一線を決めたら、それ以外に関しては積極的に譲るという方法です。

例えば「いい会社に入ったほうがいいよ」と言われた段階では「なるほど」と適当に聞いておき、もしも「知り合いの会社を紹介する」と直接的な行動に出るようになった段階できちんと断るといった具合です。

無自覚タイプは、周囲の人との協力がカギ

無自覚に自分の常識を押し付けているタイプには、本人がそれを常識かどうかすら疑わずに信じ込んでしまっている以上、直接話をしてもあまり効果がありません

ではどうするかというと、その人の価値観にもよるのですが、説得に足る材料を集めることが重要です。無自覚タイプはあなた以外の人からも反感を買っている可能性が高いので、たとえば周囲の人に聞き込みしてみると、日ごろどれだけ非常識なことを言っているかが集められるでしょう。

特に会社などでお互いに立場のある関係では穏便な解決が難しいと思いますので、「みんなからもこういった声があがっています」と伝えて、多少強引ではありますがおとなしくしてもらうのがベターです。

まとめ

以上、常識を押し付ける人の4つの心理とタイプ別の対処法でした。今回の内容をあらためてまとめます。

常識を押し付ける人には、「嫌味タイプ」「優等生タイプ」「善意タイプ」「無自覚タイプ」という4つの心理タイプがあり、それぞれのタイプ別対処法は次の通りです。

常識を押し付ける人のタイプ別対処法
  • 嫌味タイプは、とにかく無視しておけば大丈夫
  • 優等生タイプは、真っ正面からやり合わずに逃げろ
  • 善意タイプは、譲れない一線を決めて他は全力で譲る
  • 無自覚タイプは、周囲の人との協力がカギ

ここまで解説してなんですが、偉そうに言っている私自身、自分がこのパターンに当てはまっていたと後から気づくこともあります。特に、気を抜くと善意タイプになってしまいがちなので、気を付けなければと日々反省しています。

「常識を押し付ける人」がいるのではなく、人間だれしも「常識を押し付けてしまうときがある」というのが実態に近いのではないかと思いますので、ぜひ皆さんもお気を付けください。