夫婦とはいえ元他人。ひとつ屋根の下で生活していれば、金銭感覚や子育てなど、価値観の違いを感じることは多いですよね。夫婦の価値観の違いは、喧嘩やストレスの原因にもなる、とても解決の難しい問題です。
今回は、そんな夫婦間で生じる価値観の違いを乗り越える方法について解説します。
目次
夫婦の価値観の違いが夫婦喧嘩や離婚の原因になる
価値観の違いは、あらゆる夫婦喧嘩の原因になり、最終的に離婚の原因にもなります。
価値観の違いとはようするに、「優先順位の違い」のことです。
例えば金銭感覚。
日々節約したい倹約家と、宵越しのお金は持たないという浪費家では、まったく価値観が異なります。
また子育てや仕事に対する優先順位が違えば、子どもを産む産まないといった状況や、いざというとき仕事を休む休まないといった状況でもめることになるでしょう。
夫婦の価値観の違いを感じる瞬間・具体例
夫婦の価値観の違いを感じる瞬間には、具体的に次のようなものがあります。
- 家事に対する感覚。1人が体調を崩しているときでも何もしてくれない
- 金銭感覚のズレ。無駄遣いが多すぎる
- スキンシップの多さ。もっと触れ合いたい
- 子どもを産むために仕事をやめてほしい。キャリアのために子どもを産みたくない
- ジョークが笑えない。ユーモアのセンスが違う
- 怒る基準が違う。ささいなことで感情的になるのが耐えがたい
- 扱う言葉がズレている。言っていい言葉と言ってはいけない言葉の感覚が違う
- 家族・仕事・友人の優先順位の違い
こんなものは一例で、実際に夫婦生活をしているともっと日常的にいろんな価値観の違いを目の当たりにしますよね。
価値観の違いが「許容できないレベル」になると離婚したくなる
価値観の違いは、夫婦喧嘩や離婚の原因になる一方で、あって当たり前のものでもあります。
育ってきた環境からなにから、あらゆるものが異なる他人同士、価値観が同じなわけがありません。
価値観の違いはあって当然、ではなぜそこから先「離婚する夫婦と離婚しない夫婦」に分かれるのでしょうか?
それはひとえに、その価値観の違いが夫婦生活に与えるインパクトです。
価値観の違いが「そういう人もいるんだなぁ」という程度であれば、離婚までしようとは思いません。
しかし、その価値観の違いが致命的であればあるほど、夫婦生活の継続は困難になります。
夫婦の価値観の違いを乗り越える方法
それではここからは、実際に夫婦の価値観の違いを乗り越えるための方法について解説します。
人と話して「許容できるレベル」を引き上げる=価値観の柔軟性を高める
夫婦の価値観の違いは、許容できないレベルになってしまうと離婚へと発展してしまいます。
だったらまずは、「許容できるレベル」を引き上げてしまうのがもっともシンプルな解決法。
つまり、価値観そのものの柔軟性を高めるのです。
具体的には、いままで触れてこなかったものに触れる、というのがお手軽でおすすめな柔軟方法ですね。
特に、いままであまり関わってこなかったタイプの人と知り合いになるというのが一番効果的。
外国人の友人ができれば価値観の違いが分かりやすいですし、反対に同郷の友人などと改めて話してみるとかえって「同郷でもこんなに違うのか」とその違いに気づけるかもしれません。
我慢はNG!価値観の違いは見つけた時点で話し合うこと
価値観の違いは、感じたら感じたそのときに話し合っておくことが大事です。
例えは悪いですが、価値観の違いは虫みたいなものだと思ってください。価値観の違いはひとつあれば、他にもたくさんあります。
でもだからといって、見かけた虫をそのまま放置して生活するのはちょっと難しいですよね。
「いや、別に気にならないけど……」と感じるなら、それもまた価値観の違いを感じるひとつのきっかけになります。
価値観の違いを乗り越えていくうえでは、「相手にとっては気にならないことが私は気になる」と伝えることもまた重要なのです。
自分が感じたことをきちんと伝えられる関係性だからこそ、相手の感じた価値観の違いを受け入れる余地が生まれます。
お金は使う前に相談しよう!「自分で稼いだお金だから使っていい」かどうかは人による
もっともポピュラー?な価値観の違いが、金銭感覚のズレではないでしょうか。
金銭感覚のズレは、日常的に感じやすい価値観のひとつですので、きっとまったくズレていないという夫婦の方が珍しいでしょう。
金銭感覚のズレを乗り越えるコツはシンプル、お金を使う前に相談することです。
共働きの場合、お互いに生活費を振り込んであとはすべて自由に、という取り決めの夫婦もあるでしょう。
でも、それでうまくいく夫婦もあればいかない夫婦もあります。心の片隅に「とはいえ家族のお金だから……」という思いがあったりすると、そのもやもやはどんどん蓄積していきます。
もちろん共働きに限った話ではありません。一方が専業主婦として家を切り盛りし、もう一方が生活に必要な分だけ振り込んで、あとは自由に使う。そんなケースも耳にしたことがあります。
それでバランスが取れていると感じる夫婦は、それでもいいのです。でも、どちらかが少しでも我慢を強いられていると感じている場合には、きちんと相談するようにしてください。
子どもは価値観のすり合わせが済むまで産まない
子育てに対する価値観の違いは、実際に子どもが生まれてみないとなかなかすり合わせられるものではありません。
ただ、それ以外の価値観の違いがあるうちは、子どもを産むことを避けておいた方が無難。
なぜなら、子育ては生活に密接に関わるものですので、現状で価値観の違いを感じているなら、子どもが生まれてからも同じように、あるいはそれ以上の価値観の違いを感じることになるからです。
「子どもが生まれればきっと変わる……」それは希望的観測でしかありませんので、子どもを産む前に、いま解決できる問題はいま解決しておく意識を持ちましょう。
ひとりでできるストレス解消法を用意しておく
これも「許容できるレベルを引き上げる」一環として、いざというときにひとりでできるストレス解消法を用意しておくことをおすすめします。
内容は何でも構いません。
ひとりでどこかへ行く。お風呂へ入る。テレビを見る。マンガを読む。ゲームをする。スポーツをやる。
趣味を持った方がいいと言われるのは、こういうときにストレス発散になるからなんです。
夫婦でやる趣味ではなく、ひとりでできる趣味=ストレス解消法を用意しておきましょう。
知識を身につけるだけでも許容レベルは引き上げられる
これは少し特殊な例かも知れませんが、私は妻と価値観の違い(というより習慣の違いみたいなものですが)を感じた時、実はADHDなどの発達障害が理由だった、という経験があります。
それ以外にも、過去の家庭環境が原因でアダルトチルドレン的特徴を持つようになっていたり、HSPといって音や光などに過敏に反応したりなどなど、知識を身につけることで受け入れられる範囲が広がるということはあります。
ADHDにせよASDにせよHSPにせよアダルトチルドレンにせよ(HSPとアダルトチルドレンは診断名ではありませんが)、決して珍しいものではありません。
全く知らなかったという方は、知識を身につけるだけでも価値観の違いを許容できるレベルが多少改善されるはずです。
>>ADHDの妻との接し方
>>HSPの妻との接し方
>>アダルトチルドレンの妻との接し方
「なんでそんなことでイライラするの?」と思っていたら、実はそれは生理の影響だった、なんて可能性もあります。当たり前を当たり前に受け取らず、「ひょっとして」と疑うクセを持ちましょう。
「すでに話し合いも難しい……」価値観の違いが原因で壊れそうな関係を修復するには
「価値観の違いをすり合わせるのが大事ってことくらいわかっているけど、そもそも話し合いに応じてくれない」
「散々話し合ってきたけれど一向に解決しない、もう疲れた」
そんな壊れる寸前の関係を修復するには、それでもやっぱり話し合うしかありません。
ただ、自分たちだけで話し合うのに限界を感じているのなら、第三者に協力してもらうという手があります。
第三者は、信頼できる友人・知人に頼んでもいいですし、カウンセラーなどの専門家を頼ってもいいでしょう。とにかく客観的な視線を取り入れることが大切です。
まとめ
夫婦間の価値観の違いは、あって当たり前のものではありますが、その違いそのものに対する価値観がズレていると、なかなか苦労するかもしれません。
あなたにとっては致命的な価値観のズレが、相手にとってはさもないことのように思えて、そもそも話し合いの場を設けてもあまり生産的な議論ができなかったり。
そういう場合には、まず話し合いに向かう姿勢から見直してみるのも効果的です。
下記記事では夫婦で話し合う際に守りたいルールについて解説していますので、興味のある方はぜひ参考になさってください。
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